高血圧

高血圧とは?

高血圧心臓から送り出される血液の圧力が高い状態が続くことを「高血圧」と呼びます。
具体的には、収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上を示し続けることを指します。
長期間、血圧の高い状態が続くことにより、血管を始め、心臓、脳、腎臓などの臓器に負担がかかり、さまざまな全身性の疾患を引き起こす原因となります。

高血圧にならないようにするには?

高血圧を予防するためには、毎日の食事の見直し、生活習慣の見直しがもっとも無理なく行え、また効果的です。いきなり全部は難しくても、できることから始めていきましょう。

毎日の食事の見直し

減塩

身体に良いとされる日本食ですが、日本人は世界的に見ても塩分摂取量が多い傾向にあります。
簡単にできる減塩への取り組みをご紹介します。

  • 揚げ物、焼肉などは、醤油・ソースを控え、レモン・ユズ・こしょう・ごまで食べる。
  • 醤油やソースを「かける」のではなく、小皿に注いで「つける」ようにする。
  • 天然だし(昆布・シイタケ)を使うことを心掛け、醤油、塩を減らす。
  • ラーメン、そば、うどんの汁を半分残す。
  • 毎日の料理の味を、少しずつ薄くし、身体に薄味を慣れさせる。
ミネラル摂取を意識する

ビタミンを意識してサラダを食べたり、筋肉トレーニングの後にタンパク質を摂ったり、身体を動かす前に炭水化物を摂ったり、日本人の栄養素への意識が高まりつつありますが、忘れられがちなのが「ミネラル」です。

  • 腎臓から余分な塩分を排出させる働きを持つ「カリウム」
    →野菜、果物、海藻類、豆類に多く含まれています。
  • カリウムの働きをサポートする「マグネシウム」
    →海藻、ナッツ類、豆類に多く含まれています。
  • 血圧上昇を抑える「カルシウム」
    →牛乳、小魚類に多く含まれ、また吸収率も高い。

生活習慣の見直し

適度な運動

適度な運動は、

  1. 交感神経の働きを低下させ血管の拡張、血圧低下に繋がります。
  2. インスリンの働きが向上し、相対的に分泌量が減少、血圧上昇を抑えられます。
  3. 利尿作用により体液量が低下、血圧が下がります。

 

「適度な運動」って、何を、どれくらい?

以下を目安にしてください。ただし、運動中は血圧が一時的に上昇しますので、やりすぎは逆効果となります。また、すでに高血圧の治療中の方は、必ず医師に相談してから運動を開始するようにしてください。

種類 ウォーキング、軽いジョギング、アクアサイズ(水中運動)、サイクリングなどの有酸素運動が有効です。
時間 1日30分程度が理想的。1回10分を数回行っても、同等の効果が得られます。
頻度 週に3~4日。毎日できれば理想的。
強度 軽く汗ばむ、軽く息がはずむ程度
節酒

アルコールは一時的に血の流れを良くしますが、飲み過ぎは血圧を上昇させます。
一般的な目安としては、男性の場合、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、焼酎なら半合とされており、女性は男性の場合の半分~3分の2程度です。
もちろん個人差がありますので、何度も同じことを話す、眠くなる、足もとがふらつく、という状態になれば、それは飲み過ぎであると考えるようにしましょう。

喫煙リスクを知っておく

喫煙が直接的に高血圧の原因となっているかどうかについては、まだはっきりと分かっていません。
ただし一時的な血圧の上昇、動脈硬化促進、心筋梗塞や脳卒中のリスク上昇といったことは明らかになっており、メタボリックシンドロームの危険因子の一角でもあります。
血圧が高い方は、タバコの本数を減らし、禁煙するに越したことはないでしょう。
当クリニックでは、禁煙外来を行っております。

高血圧が引き起こす合併症

高血圧が続くと、血管の弾力性が失われ、壁が厚くなることで血液の流れが悪くなる「動脈硬化」が進みます。血液の塊が血管に詰まると「狭心症」「心筋梗塞」になり、同じことが脳内で起こると「脳梗塞」になります。脳の血管が破れる「脳出血」「脳卒中」も高血圧の合併症と言えます。
命にかかわる合併症を引き起こす高血圧ですが、自覚症状はほとんどないこともあり、危機感を持っていない方が多く見られます。

高血圧の治療

高血圧治療を行う場合には、高血圧の進行度だけでなく、危険因子、臓器障害、合併症などを把握した上で、リスク層別に分類し、その層(リスク第Ⅰ~Ⅲ層)ごとに、非薬物療法、降圧薬治療などを組み合わせて、患者様一人一人に合った治療法のご提案をしております。
下記の表でリスクありとなった場合には、当クリニックにご相談ください。
※「高リスク」にあてはまる場合は、速やかに降圧治療を開始する必要があります。

各血圧レベルにおける、心血管リスクの階層化
血圧分類
(mmHg)
正常
130~139/85~89 
Ⅰ度高血圧
140~159
/90~99
Ⅱ度高血圧
160~179
/100~109
Ⅲ度高血圧
180~
/110~
リスク層  ・危険因子なし
(リスク第Ⅰ層)
リスクなし 低リスク 中等リスク 高リスク
・糖尿病医学の1~2個の危険因子
・メタボリックシンドローム
(リスク第Ⅱ層)
中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク
・糖尿病、慢性腎臓病、
臓器障害、心血管病
3個以上の危険因子のいずれか
(リスク第Ⅲ層)
高リスク 高リスク 高リスク 高リスク
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